サハロフの日記

哲学したいPの日記。

『オリエント急行殺人事件』感想

ミステリーではかなりの知名度を誇る作品ですね。

2017年の実写映画版の感想を書いていきます。

※ネタバレあり

 

www.foxmovies-jp.com

感想といっても、有名な作品なので、あらすじや結末は書きません。

久しぶりにこの作品に触れて、改めて感じたことを書きます。

 

一つ目はミステリー、というよりも、全ての創作物に共通することですが、楽しむためにもそれ相応の知識が必要だということです。

例えば映画の中で、ポアロが「ヘラクレスさん」と呼ばれるシーンがあります。

そして、ポアロは即座に「エルキュールです」と訂正します。

エルキュール・ポアロの名前の綴りは「Hercule Poirot」です。

フランス語における「無音のH」の法則を知らなければ、勘違いから起こったこの掛け合いを、理解することはできません。

無音のh・有音のh - Wikipedia

 

また、同じくHの文字について、ロシアなどで用いられるキリル文字では、HがNの音を表すことを知らなければ、理解が難しいであろう場面があります。

ミステリー小説において、頭を捻るのは、もちろん主人公たる探偵です。

しかし、その探偵の説明を全く理解できないようでは、読者はワトソンにすらなれないですよね。それは余りにも悲しいです。

ですから、ミステリーを楽しむためにも、いろいろな知識を得ていきたいものだと思います。

 

二つ目は、抽象的ですが比較することの面白さです。

この『オリエント急行殺人事件』、三年前にフジテレビがドラマ化しています。

三谷幸喜さんが脚本を書くことや、野村萬斎さんや二宮和也さん、佐藤浩市さんといった豪華キャストが出演することが話題になっていました。

日本風にアレンジされたドラマも面白いものでしたが、やはり、個人的には原作の雰囲気が好きでした。

「たまたま同じ列車に乗り合わせた、国籍も年齢もバラバラな人々」という特異なシチュエーションが前提になければならないと思うのです。

 

ただ、このことは私が原作小説を読んでいなければ思わないことだったでしょう。

そして、2017年の映画を観なければ、思い出すこともなかったでしょう。

そう、私は原作と三谷幸喜版を比較することで、面白さに気づいたのです。

比較することによって、面白いポイントに着眼することができたのです。

大学の講義で「文化は比較することが必要」と教わりましたが、こういうことなのかもしれませんね(?)

 

映画自体は安定感のある出来だったと思います。

終盤ではごく自然と涙が出てきてしまいましたし。

しかし、個人的には、それ以上に得るものがありました。

観てよかったなと、単純に思いました。